一日摂取許容量(ADI)

一日摂取許容量(ADI)

人間が一生涯にわたって毎日摂り続けても健康上悪影響がないと考えられる一日あたりの化学物質摂取量の上限。
Acceptable Daily Intakeの略称。
日本語では「一日摂取許容量」と訳されています。

日本では食品安全委員会でADIが設定されます。

国際機関では世界保健機関(WHO:World Health Organization)と国連食糧農業機関(FAO:Food Agriculture Organization)により定められた値が各国へ勧告されています。

一日摂取許容量(ADI)とは
人が一生涯にわたり毎日摂取しても健康上悪影響がないと推定される化学物質の最大摂取量をいいます。
化学物質の生体影響の強さの指標であり、通常、体重1 kg当たりの化学物質摂取量で表します(mg/kg体重/日)。

ADIは、農産物・食品の生産、製造、加工過程において意図的に使用される物質(農薬、添加物など)の場合に用いられます。
ADIは、動物実験において安全性が確認された最大量(最大無作用量)から算出されます。

動物実験の結果であることを考えて、ヒトは化学物質に対する感受性が動物の10倍強いと仮定し、さらに個人差が10倍あるとして、それらをかけ合わせた「100」で最大無作用量を割って算出する方法が多く用いられています。

【参考】暫定耐用一日摂取量(PTDI)
人が一生涯にわたり毎日摂取しても健康上悪影響がないと推定される化学物質の一日当たりの最大摂取量をいいます。
PTDIとADIは同義語ですが、PTDIは本来混入することが望ましくない汚染物質(カビ毒等など)の場合に用いられます。
なお、体内に蓄積する性質がある汚染物質は、一週間当たりの最大摂取量PTWI、又は一か月当たりの最大摂取量PTMIが用いられます。

引用:農林水産省(野菜等の硝酸塩に関する情報 > 用語解説)

参考NOAEL(無毒性量)とTDI(耐容一日摂取量)

ADIの日本語表記について

ADIは「一日摂取許容量」の他に、「一日許容摂取量」と表記されている場合もあります。

厚生労働省公式HP・食品関係用語集では「許容一日摂取量ADI:Acceptable Daily Intake)」と記載されています。

今回の記事では、内閣府・食品安全委員会の公式サイトに掲載されている「食品の安全性に関する用語集(第5.1版)」(平成28年4月)に合わせて「一日摂取許容量」に統一しています。

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一日摂取許容量(ADI)の算出方法

一日摂取許容量(ADI)の算出方法について、農薬工業会の情報からまとめました。

1.毒性試験の実施

【実験動物】
マウス、ラットや犬など2種類以上

【期間】
1年間から一生涯(ラットでは約2年間)の間毎日

【試験方法】
・対象の農薬を摂取させる反復投与試験
・発がん性試験
・2世代以上にわたって農薬を毎日与えて生殖機能及び出生仔の生育に及ぼす影響をみる繁殖毒性試験
・奇形の仔が生まれないかをみる催奇形性試

いずれの試験でも有害な影響がみられない最大投与量を求めます。
これを無毒性量(NOAEL : No Observed Adverse Effect Level)と呼び、mg/kg/日で表します。

2.ADI計算式

無毒性量100分の1をかける。(10×10=100)
人の体重1kg当たり、1日当りの薬量がmgで示されます。

・10倍の安全係数・・・動物と人の違い(種差)
・10倍の安全係数・・・個人差

⇒無毒性量(NOAEL )×安全係数1/100(種差×個人差)=一日摂取許容量ADI

参考NOAEL(無毒性量)とTDI(耐容一日摂取量)

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人一日摂取許容量

ADIに人の平均体重をかけた値。

ADI(一日摂取許容量)×日本人の平均体重53.3kg)=日本人の一日摂取許容量
※欧米の平均体重:60.70kg

参考資料:農薬工業会(教えて!農薬Q&A 農薬は安全?)